2009年 09月 08日
隅を抜き、視線を通す -七里ガ浜の住宅- |
いよいよ工事も最終段階、内部の仕上げが始まった七里ガ浜の住宅ですが、
ひと足先に浴室が完成しました。
この浴室の特徴は、床と腰部分を十和田石、壁・天井を杉板張りで
仕上たこともさることながら、
江ノ島を向く西方向の出隅の柱を抜き、視線を通したところにあります。
本来あるべきところの柱を抜くわけですから
当然構造的に補強が必要であったりもするわけですが、
それよりも何よりも、視界の広がりを優先させたのです。
建物を設計する上において、意匠や構造、機能など、
それらすべてを完全に満たすことは少なく、
お互いが相反する場合もあります。
その時には常に、「何を一番大事にしたいのか」というところに立ち返り、
問い直し、そして選択していくことになります。
それがいわゆるコンセプトであり、最後までいかにブレずにいられるかということが
大切なのだと思います。
(前田太郎)
<七里ガ浜の住宅は10月に完成見学会を行なう予定です。>
by suzuki-koumuten
| 2009-09-08 21:35
| 家づくり