2011年 12月 23日
K邸・古民家再生 — 建方1 |
12月23日 晴れ
果たして解体後、一年以上屋外にブルーシートを被せただけで放置されていた古材がすんなりと組み上がるのか。棟上げの予定は28日ではあるが、やってみなければ分からない要素が多分にあった。
不安を抱えたままこの日、建方の第一日を迎える。
まず驚くべきは、レッカーに吊られた古材の異様な光景。その大きさ、黒さ、重量感。青空高く浮び上がっていく古材の姿にとてつもないことが始まろうとしていると実感。
大黒柱の立ち上げ。ホゾの長さに注目。
建物の中心となる通りの柱を基礎の上に直接立ち上げ、差し鴨居を差し込み荷締め機で締め上げ固定。その上に今回の古材の中で最大の梁を柱のホゾを通して架ける。その重さ400kg以上。
大工がバランスを計りながら、渾身の力を込めて掛矢を振るう。なかなか納まらない。
シリコンスプレーをかけて滑りをよくする。すると徐々に梁はあるべき場所に落ちていく。最初の架構が決った。
この家の顔か心臓か。柱スパン2865mm、鴨居までの高さ1770mm。力強くありつつも、直線と緩やかな曲線は落ち着いた上品さを醸し出している。
梁の上に梁、そして梁。急ピッチで作業は進む。考えていたよりも素直に古材は組まれていく。
この造形美、おとぎ話の世界である。
古材との格闘。皆、命懸けで楽しんでいるようだ。
二階建てとなる西側の一階部分の軸組が完了。
続いて東側半分の架構。こちらは居間の吹抜け空間にメザニンがくっつく。
この太々しさがたまらない。
この日はほとんど全て古材を使った一階部分の架構を組み立て終了。一階部分といっても実際には二階建ての高さに相当する。
古民家の巨大な架構に中二階と二階、吹き抜けを組み込み、現代の住まいに作り変える今回の工事は、お施主様と鈴木工務店が創造する新たな住まい方を具現化させる大きな挑戦となっている。(多田祐基)
果たして解体後、一年以上屋外にブルーシートを被せただけで放置されていた古材がすんなりと組み上がるのか。棟上げの予定は28日ではあるが、やってみなければ分からない要素が多分にあった。
不安を抱えたままこの日、建方の第一日を迎える。
シリコンスプレーをかけて滑りをよくする。すると徐々に梁はあるべき場所に落ちていく。最初の架構が決った。
この家の顔か心臓か。柱スパン2865mm、鴨居までの高さ1770mm。力強くありつつも、直線と緩やかな曲線は落ち着いた上品さを醸し出している。
この日はほとんど全て古材を使った一階部分の架構を組み立て終了。一階部分といっても実際には二階建ての高さに相当する。
古民家の巨大な架構に中二階と二階、吹き抜けを組み込み、現代の住まいに作り変える今回の工事は、お施主様と鈴木工務店が創造する新たな住まい方を具現化させる大きな挑戦となっている。(多田祐基)
by suzuki-koumuten
| 2011-12-23 14:46
| 家づくり