2013年 05月 01日
夏には夏の草 冬には冬の草 三澤喜美子 |
我が家は、道路から二十メートル登った所にあります。玄関にたどり着くまでの四メートルの小路は、鳥や風が運んで来たのか様々な草木が、気ままに生えています。北側の庭は十五、六年前に山もみじを六本植えました。きっかけは、晩秋の黒姫を訪れた時のことです。父と母が春から秋まで過ごした小さな家が、まるで火事の様に燃えるような紅葉に包まれていたのです。父が植えた数本の、山もみじでした。その時、私も山もみじの庭を造ろうと思いました。あくる日に林を歩き高原を歩きながら、とりわけきれいに紅葉したを木を見つけては、その周りから苗を見つけて持ち帰り植えたのです。今、春のやわらかな山もみじの重なりが、風に揺れています。六本の木々は、それぞれ葉の形や紅葉の色合いの時期が少しずつ異なり、晩秋には一瞬ですが黒姫の秋のハーモニーを奏でます。三十年経て、やっと庭と家と住まい手が、溶け合い混じり合ってきた気が致します。
by suzuki-koumuten
| 2013-05-01 00:00
| 家づくり